映像の世紀バタフライエフェクト「ゲッベルス」感想〜ありのままの自分を受け入れられなかった〜

未来型天命カウンセラーのみやです。

本日もお越しくださり、ありがとうございます!!

わたしが好きな番組の1つに、NHKで放送している映像の世紀バタフライエフェクトがあります。

先日は、「ゲッベルス狂気と熱狂の先導者」が放送されていました。

かなり見応えがあり、ゲッベルスについても意外な気づきがありました。

ゲッベルスとは…

まず、ゲッベルスについて簡単にお伝えしたいと思います。

ヨーゼフ・ゲッベルスは、ヒトラーのナチス政権下で宣伝省大臣を務め、プロパガンダを駆使して、大衆をナチス支持へと駆り立てた人物です

彼自身もヒトラー同様に、大衆を熱狂させ、敵を論破する演説の才能がありました。

ヒトラーの右腕のような存在で、ナチスが当時のドイツで政権が獲得できたのは、ゲッベルスのプロパガンダの力があったからと言っても過言ではありません

今回の映像の世紀バタフライエフェクトでは、ナチス政権獲得前〜第二次世界大戦突入〜ドイツの敗北までをゲッベルスを通して構成されていました。

現代でも使われているゲッベルスのプロパガンダ…

番組を見ていて怖かったのが、ゲッベルスのプロパガンダ手法が現代でも通用してしまうことでした。

炎上商法で注目を集める、フェイクニュース、陰謀論で人々を洗脳し、特定の人たちのヘイトを煽っていく…

現代でも使われているのではないでしょうか。

国民を総力戦へと駆り立てたゲッベルスのプロパガンダ

わたしが一番怖かったのが、総力戦演説とその後の展開でした。

ドイツの敗戦が濃厚になった1943年2月、ゲッベルスは国民全員を戦争に向かわせるための演説を行いました

諸君に問う!勝利を得るため、総統に従っていく決意はあるか!苦難を共にする覚悟はあるか!

ゲッベルスの熱のこもった演説に、国民は熱狂していきます。

ゲッベルスは会場に大量のサクラを仕込んでいました

その効果もあり、会場の熱狂はさらに増し、会場全体で総力戦を望む空気感ができあがりました

演説終了後、ゲッベルスは満足そうに次のように部下に言いました。

わたしがビルの屋根から飛び降りろと命じていたなら、彼らはその通りにしただろう

と。

国民の総力戦で戦争に進んでいくことになったドイツ。

16歳~60歳までの国民が、国民突撃隊として組織されました

そして、寄せ集めの制服、武器や訓練も満足でない国民たちが次々と戦場へ送られていきました。

それでも、戦局が良くなることはありませんでした…

ゲッベルスはさらに、国民に降伏への恐怖を植え付け、最後まで徹底抗戦をさせようとしました

そのために、ソ連兵によるドイツ人の虐殺を大々的に報道させました。

敗戦へ向かうドイツ…

それでも、ドイツの敗戦は近づいていました。

敗戦が避けられなくなると、ナチスの幹部たちはヒトラーを見限り、次々とベルリンを脱出しました

ゲッベルスは最後までヒトラーの側を離れることなく、最後まで従いました

ヒトラーは、ゲッベルスを次の首相に任命し、その翌日に命を絶ちました。

しかし、ゲッベルスはヒトラーの最後の命令に従うことはありませんでした。

ゲッベルスはこう言い残しています。

わたしは総統のために、総統の傍で役立てうるのでなければ、個人としては何の価値もないこの命を総統の傍らで終えることを選ぶものである

そして、ゲッベルスは妻と6人の子どもを道連れにヒトラーの後を追ったのでした…

ドイツの民間人の犠牲者は、約200万人。

その半数は、最後の10ヶ月の総力戦の犠牲者でした。

ありのままの自分を受け入れられなかった…

わたしはこれまでも、ゲッベルスの演説映像などを目にする機会がありました。

大勢の人の前で、堂々と演説をする姿から彼は自信家であり、有能な自分に酔っているようなどちらかというと、自分大好きみたいなそんなイメージがありました

だから、彼が自分のことを

個人としては何の価値もない命

と言っていることが意外でした。

ナチ党幹部になり、国を動かすような権力も得た。

それでも、そんなふうに思っていたのか、と。

なぜ彼がそんなふうに思っていたのか…

それは、自分のコンプレックスや挫折を受け入れられなかった

ありのままの自分を受け入れられなかったのではないか、と感じました。

ゲッベルスは、小児マヒの影響で右足に障害があり、足に装具を付け、歩き方も障がいの影響が出ていました

子どもの頃は、障がいを理由にいじめられたりしていました。

勉学に打ち込んだゲッベルスは、大学に進学し、博士号も取りました。

かなりの高学歴でした。

彼は、文筆家として生計を立てたいと思い、愛読していた新聞社に何度も原稿を送りましたが、採用されることはありませんでした

その新聞社の経営者はユダヤ人でした。

プライドを傷つけられたゲッベルスは、ユダヤ人への憎悪を強め、後のユダヤ人迫害に繋がっていったとも言われています

ゲッベルスは、コンプレックスや挫折を抱えていたのです

でも、上手くいかないのはユダヤ人のせい、他の人が悪い、と責任転嫁して、ありのままの自分を受け入れることができなかったのではないか、と思います。

ありのままの自分を受け入れていなかったから、成功して国の中枢に登りつめ、権力を手にしても自分自身に価値を見い出せなかったのではないでしょうか。

番組を最後まで見て感じたのは、ゲッベルスは、自分のためでもなく、国のためでもなく、「ヒトラーのためだけに生きた人」のように思いました。

ヒトラーのためだけに、自分の才能をフル活用しました

国民や国家が、ヒトラーが権力を握るという目的のための手段になってしまったように感じました。

もし、ゲッベルスがありのままの自分を受け入れ、自分にとって本当に大事なことを見つけていたなら、もしかしたら、歴史が少し変わっていたかもしれない、そんなふうにも感じました。

本日はここまで。最後までお読みいただき、ありがとうございました!!