海籠り志カウンセラーのみやです。
本日もお越しくださり、ありがとうございます!!
突然ですが、お店を開く上で、大事なことって何だと思いますか?
いろいろあるかと思いますが、立地って大事ですよね。
駅に近かったり、幹線道路沿いだったり、商業施設の近くだったり…
集客するためには、たくさん人が集まる立地にお店があるといいですよね。
便利な立地も大事なんですが、お店にストーリーと想いがあると、実は立地が便利でなくても行きたくなってしまうんです。
むしろその場所にあるからいい、ということで、どんどんお客さんが集まってきます。
今回は立地だけでみると、あまり便が良くないけどストーリーと想いを伝えていくことで、
その場所だからいい!!
とお客さんが集まる新潟県にあるお店を2つご紹介します。
ラーメン店「なみ福」
まずは、新潟の角田浜にあるラーメン屋「なみ福」です。
このラーメン屋さんを始めたのは、「ハイスタンダード」というバンドのメンバーの1人難波さんという方です。
なぜ、ミュージシャンがラーメン屋さん??
という感じですよね。
難波さんが高校生の頃から通っていた新潟のラーメン屋さんのおばちゃんが引退することになり、それを知った難波さんが、
「どうしてもこの味を残したい」
「引き継いでいきたい」
という想いでラーメン屋さんを始めようと決意されます。
お店を始める前に大変だったのが、味の再現だったそうで、おばちゃんは、季節や気温に合わせて長年の勘で、その時々で出汁の煮干しにの配合を変えていたのです。
だから、レシピを教わって終わりというわけではないので、味の再現は大変で、1年ほどかかったそうです。
そして、お店として選んだ場所が、海の見えるこだわりの場所。
元々海の家だったところを改装することにします。
そんな難波さんの想いに賛同した多くの方がクラウドファンディングで応援し、そんな応援もあり、開店までこぎ着けます。
実際に「なみ福」に行ってみた!
そんなことがあったことを、新潟県民のわたしは全然知らなくて、竹川さんから教えてもらいました。
そして、先日、新潟でのワークショップの翌日、竹川さんと千聖さんとご一緒させていただき、「なみ福」に行ってきました!!
わたしは元々、お店の周辺を知っているのですが、本当に海と山しかなく…
車がないとたどり着けない場所で…
海水浴時期以外は、そんなに混まないんじゃないか、と行くまでは思っていました。
しかし、行ったらなんと70分待ち!!
大繁盛だったのです!!!
このなみ福がすごいのは、待ち時間が苦痛じゃないんです。
ずっとその場で並んでいる必要はなくて、整理券を取って、その整理券にQRコードが付いているので、順番が来たらメールでお知らせしてくれます。
その場で待たなくても良いシステムを取り入れていました。
となりはカフェで、待ち時間そこに行ってもいいですし、なんと言っても、目の前は海なので、海辺を散歩したり、ぼーっと海を眺めたり…。
苦痛なはずの待ち時間がまさかの癒やし時間になったのでした。
ちょうど秋晴れで、暑くも寒くもなく、本当に心地よい気候でした。
いざ、店内へ!
そんなこんなで、あっという間に順番が来て、いざ店内へ!!
なんと、メニューがラーメン800円とラーメンチャーハンセット1,200円の2つしかありません。
本当にラーメンにこだわっているんだなぁと感じましたね。
わたしはせっかくなので、ラーメンチャーハンセットにしました。
最近は、そんなに食べられないのですが、ラーメンがあっさり系なので、ペロリと食べることができました。
肝心のお味はと言うと、出汁の味を大事にしたあっさり味で、素朴な味わいというか、やさしくてほっとするような味わいでした。
わたしが子どもの頃によく食べていたラーメン屋さんの味に似ていて、どこか懐かしい気持ちになりました。
店内には大きな窓があり、どの席からもラーメンを味わいながら、目の前の海の景色も味わえるという本当に贅沢な空間でした。
本当にこの「場」でしか味わえないラーメンだなぁと…。
だから、あまり便がよくない立地でも大繁盛していたのでした。
むしろ、この「場」だから良かったのです。
CAFE HAYASHI(カフェハヤシ)
次にご紹介したいのが、新潟県上越市にあります「CAFE HAYASHI(カフェハヤシ)」です。
こちらは実際に行ったことはないんですが、Eテレで放送している「ふるカフェ系ハルさんの休日」という古民家カフェを紹介する番組で取り上げられていてすっかりファンになってしまいました。
今、行きたいお店No.1です!
こちらのカフェがあるのが、林富永邸という旧家の邸宅です。
なんと明治16年に建てられ、屋根も茅葺き屋根なんです!
上越市指定文化財に指定され、歴史的価値の高い貴重な邸宅で、地域の宝として守られてきました。
現在の当主の娘さんご夫婦が、この貴重な建物や庭園を維持・保存して後世に継承していくためには、より多くの人に来てもらい、見てもらうことが大切と考え、ご夫婦は長野から移住し、カフェとして活用を始めたのでした。
この場所を後世に残していきたい…
その想いで、早期退職され、県外から新潟に戻ってきたご夫婦の想いと行動力が本当に素敵だなと感じました。
明治時代に建てられた歴史を感じる古民家に心惹かれるのはもちろんのこと、ご夫婦の想いや行動を知ることで、行ってみたい!という気持ちがより強くなりました。
スイーツにもこだわりが…
さらに、カフェのメニューも「この場所ならでは」のメニューこだわっています。
酒かす、麹、味噌などの「発酵」をスイーツに取り入れています。
上越市には酒蔵が多くあります。
上越市は、夏は高温多湿、冬は積雪量が多いために低温多湿で「発酵」適した環境です。
昔からお酒や味噌、醤油などの醸造が盛んに行われてきた場所です。
カフェハヤシのオーナー夫妻も、実際に移住してみて、周囲に酒蔵が多くあり、発酵に適した気候・風土なんだなぁということを実感され、スイーツに取り入れることにしたそうです。
まさに「この場所ならでは」のこだわりのスイーツメニューなのです。
この場所だからこその景色
周囲は、山と田んぼばかりの自然に囲まれています。
杉並木を抜けると、昔にタイムスリップしたみたいな茅葺き屋根の古民家が出迎えてくれます。
そんな古民家カフェの縁側からは、田んぼと山の風景が広がっています。
その風景を遮るような建物はありません。
「フルカフェ系ハルさんの休日」の撮影は、6月くらいだったみたいで、田植えが終わって間もない水田が、まるで海のように見えました。
便が良い場所ではないかもしれませんが、ここでしか味わえない景色です。
日常の喧騒から離れ、最高の景色のなか、歴史を感じながら、こだわりのスイーツをいただく…
本当に、この場所だからできる、最高に贅沢な空間、時間が味わえる場所だと思います。
想いとストーリーを伝えることで…
なみ福の場合は「味」
カフェハヤシの場合は「場所」
それぞれ、どうしても残していきたいという想いから、お店のストーリーが始まり、さらにはその場所ならではのこだわりを持って、貫いていくことで、
「この場所でしか味わえない」
「この場所だからいい」
という価値がお客さんにも伝わり、立地が便利じゃなくても、お客さんを惹きつけているんだと思います。
そんな2つのお店から、ストーリーと想いを届けることは、本当に大切なことだと改めて実感しました。
カフェハヤシにはまだ行けていないので、ぜひ行ってきたいと思います!